【ネタバレ有】スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースの感想!
映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」を観てきました!
全世界で大ヒットを記録した、前作「スパイダーマン:スパイダーバース」から5年の時を経て、2023年6月16日より公開された本作。
はじめに言っておきますと、こいつマジでヤバいです!
そんなヤバい本作の感想をネタバレ有りで書いていきます。
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのあらすじ
救ってみせる。愛する人も、世界も――
ピーター・パーカー亡きあと、スパイダーマンを継承した高校生マイルス。ともに戦ったグウェンと再開した彼は、様々なバースから選び抜かれたスパイダーマンたちが集う、マルチバースの中心へと辿り着く。
そこでマイルスが目にした未来。それは、愛する人と世界を同時に救えないという、かつてのスパイダーマンたちが受け入れてきた<悲しき定め>だった。それでも両方を守り抜くと固く誓ったマイルスだが、その大きな決断が、やがてマルチバース全体を揺るがす最大の危機を引き起こす…
<運命>を変えようとするマイルスの前に立ちはだかる、無数のスパイダーマンたち。
史上かつてない、スパイダーマン同士の戦いが始まる!
前作「スパイダーマン:スパイダーバース」からの正当な続編となる、今作「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」ですが、実は前作の公開前から内容は構想されていたとのことです。
ストーリーも完全に前作からの続きとなっておりますので、今作視聴の際は前作を観てからのほうが100倍楽しめます。
前作をまだ観てないって人は、今でしたらAmazon prime videoで観れますので下記からどうぞ(初めての方は30日間無料です)
スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースの感想(ここからネタバレ有)
それではここからネタバレ有りで感想を書いていきますので、本編未視聴の方はご注意ください。
前作から全てがパワーアップ!
映像・世界観・ストーリー、いや、もう全てが前作よりも大幅にパワーアップされていました。
特に映像と世界観!
前作では主な舞台が主人公のマイルスがいる世界アース1610だったのですが、今作は題名にもある“アクロス・ザ・スパイダーバース”の通り、様々な世界線(バース)が描かれており、その一つ一つが色彩鮮やかで、美しく、楽しい。
これは映画ではなく最早アート!
美術館に連れてこられて片っ端からあらゆる絵画を投げつけられるような感覚で、様々な映像効果が押し寄せてきます(誉め言葉)
中にはレゴを使ったストップモーション・アニメで描かれる世界も。
ちなみにそのシーンの制作を担当したのは14歳の少年で、もともとシリーズの大ファンだった彼がレゴのストップモーション・アニメで本作の予告編を完全再現した動画をアップしたところ、制作スタッフの目に留まり、制作チームに参加することになったんだとか。
その動画がこちら
I recreated the entire Spider-Man: Across the Spider-Verse trailer in LEGO! @philiplord @chrizmillr @terry12539 @LEGO_Group @SpiderVerse #LEGO #SpiderManAcrossTheSpiderVerse #animation #Blender3d pic.twitter.com/kYY19go7Fc
— LegoMe_TheOG (@FG_Artist) 2023年1月3日
もうこの時点でクオリティ激ヤバですね!
今までのスパイダーマンシリーズを巻き込むストーリー
ストーリーに関しては、ところどころスパイダーマンらしいギャグも挟みつつではありますが、徐々にシリアスな展開に進んでいきます。
冒頭からグウェンの過去や背景を通して、スパイダーマンであるがゆえの苦悩や葛藤、悲しみ、孤独といった負の一面が描かれています。
そして今作のポイントともなる<運命>=最愛の人物の死(今作ではカノン・イベントと呼ばれている)を巡って物語が進行していきます。
このストーリーには正直、何度も心苦しくなるシーンがありました。
というのも、今作に登場する数多のスパイダーマンと同様に我々視聴者も過去作(トビー版、アンドリュー版、トムホ版など)を通して、スパイダーマンの<運命>を経験しているからなんですね。
だからこそ、マイルスやグウェンといった主人公サイドのキャラクター達だけでなく、敵対するスパイダーマン達にもばっちこい感情移入させられちゃうんですよ。
この視聴者も過去シリーズも全てを巻き込んで突き進むストーリーは圧巻でした!
しかし、そんな重めなテーマの今作ですが、暗くなりすぎないのも素晴らしいところ。
前述のとおり芸術的な映像や、マイルスとグウェンの青春的ロマンス、多種多様なスパイダーマンの登場などが絶妙なバランスで絡み合っており、終始ワクワクが止まりません。
そんな素晴らしいストーリーなんですが…
物語も終盤、怒涛の展開と衝撃の事実が津波のように押し寄せてきます。
まさかのマイルスがスパイダーマンとなったこと自体がカノン(世界の正史)から逸脱していた事実に対して「なん…だと…」と驚愕させられ、
無数の敵対するスパイダーマン達からの逃亡劇は大迫力のシーンですし、
逃亡の果てに行き着いたアース42の世界では、マイルスがプロウラー(ヴィラン)として存在しており、ここでもまた驚愕。
そして、冒頭のバンドシーンから繋がるように、マイルスを助けるために新チームを結成したグウェンには心が震えました!
(ここに前作で力を合わせた各スパイダーマンや、今作で共に戦った新スパイダーマンが集結しているのも最高!)
そんな息つく暇もない展開で、ボルテージも頂点に登り切ったところで…
つづく…。
いや、そこで終わるんかーーーーーい!!!
もう、叫びましたよね(心の中で)
そうなんです、これは公開前からの情報ではありましたが、今作は次作と合わせての2部作の構成となっており、当然物語は次作の「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」へと続くのです。
しかし、しかしですよ、その区切り(今作のラスト)があまりにも唐突すぎる。
正直、この終わらせ方には賛否あるんじゃないでしょうか。
僕自身もこんな終わらせ方にするなら、せめて次回作は来月にでも公開してくれ!と思っちゃいました(笑)
とは言ったものの、冷静になった今改めて振り返ってみると、言わば起承転結の「承~転」に当たる今作にここまでの情報量を詰め込みつつも、中だるみさせずにこのレベルまで仕上げたことは賞賛されるべきであり、今後の展開を考えると話の区切りとしてはあの終わらせ方しかなかったのかな~とも思います。
そんなこんなで、制作陣の思惑通り(?)次回作への期待は爆上がりです。
ちなみに次回作「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」は2024年3月公開予定です(頼むから延期しないでくれ!)
成長するヴィラン『スポット』が恐ろしい!
今作のヴィランである『スポット』についても触れていきたい。
登場シーンは何ともコミカルで、コンビニのATMを盗もうとする姿はかなり小物感満載。
しかし、そんなスポットも今作の中でマルチバースを行き来する能力に目覚め、自身をこんな姿(元々はキングピンの研究施設の研究員)にしたマイルスへの復讐心を募らせながら、凶悪なヴィランへと覚醒していきます。
完全体(?)となったスポットは黒く塗りつぶされた禍々しい姿となり、まるで“世界の異物”のようなイメージを感じました。
それもそのはず、マイルス自体が世界にとってイレギュラーな存在であれば、そのマイルスと関わったことによって生み出されたスポットも同様にイレギュラーな存在なのですから。
それをヴィジュアルで表現しているあたりは、流石のセンスと言わざるを得ず、かなりゾクゾクさせられました。
当然ながら、スポットとの最終決戦は次回作への持ち越しです。
今やマルチーバースを揺るがし得る存在となったスポットに対して、マイルス含むスパイダーマン達がどう立ち向かうのか、そしてどのような結末を迎えるのか、今から考えるだけで興奮してきますね!
まとめ
発表があってからずっと待ち望んでいた本作。
前作はこのサブスクの時代にBlu-rayを買っちゃうぐらいに大好きで、今作はめちゃくちゃハードルが上がっていたんですけど、優に超えてきましたね!
ストーリーもさることながら、この映像体験は唯一無二だと思います。
もしまだ観てない人がいれば、もちろん万人にオススメできるんですけど、普段アニメとか観ないって人にこそぜひ“体験”してほしい。
もう様々なアイデアが出尽くしたこんな時代でも、アニメーションではまだまだ新しい表現が生まれてくるんだって絶対わくわくするから。
とりあえず観てくれ!!映画館で!!
僕もあと3回は観に行きたい。
そして次回作を首をながーーーーーーーーーーくして待ちます。
おわり